北九州総合病院、kintone×AI-OCR技術で電子カルテの入力作業を「30分から5分に短縮」
kintoneを基盤とした医療データ登録ソリューション事例を公開
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下サイボウズ)は、社会医療法人 北九州病院 北九州総合病院(福岡県北九州市小倉北区、院長:日暮愛一郎、以下北九州総合病院)の「kintone(キントーン)」活用事例をkintone製品サイトの導入事例ページにて発表しました。
北九州総合病院は、骨折患者のレジストリ(※)登録業務における深刻な負担軽減を目指し、2025年より患者の診断・治療データの収集業務の改善に着手。サイボウズのkintoneを基盤とした医療データ登録ソリューション「MEDITAL」を、株式会社日本メディカル情報サポート(以下NMIS)との連携により開発しました。AI-OCR技術を組み合わせたことで、1症例あたり最大30分かかっていた入力作業を5~6分に短縮し、業務効率化を実現しました。
※レジストリ=特定の疾患を持つ患者の診断内容、治療経過、予後などの臨床データを収集・管理するデータベース
質の高いデータ蓄積の必要性が、現場業務を圧迫
北九州総合病院の副院長として整形外科を統括する福田氏は、骨粗鬆症関連の骨折治療を専門としており、年々増加する患者の治療の質向上に取り組んでいます。
高齢化に伴い、大腿骨近位部骨折に関連する医療費は今後さらに増大し、介護費を含めると2040年にはピークを迎える見込みとされています。こうした状況を受け、国は2022年4月から緊急手術加算を導入。海外水準にならい、受傷から2日以内の手術実施を推進しています。併せて2022年に行われた診療報酬制度の変更により、重症患者への治療を迅速に行った医療機関を評価する「緊急整復固定加算」「緊急挿入加算」「二次性骨折予防継続管理料」が新設。診療報酬点数評価のために、FFN-J(日本脆弱性骨折ネットワーク)のレジストリ登録が要件となりました。
北九州総合病院では、慣れない医師クラークの場合、入力に1症例あたり最大30分かかることもあり、年間250症例を処理する負担は相当なものでした。記載漏れや表記揺れのないデータ蓄積の必要性が高まる反面、現場の入力負荷が既存業務を圧迫する「データ収集の壁」に直面していました。 そこで、福田氏自ら主導し、診断・治療データの収集業務改善を目指す本プロジェクトに立ち上げました。
AI-OCR技術を組み合わせ、30分のデータ入力を5分に短縮
このような課題を解決するため、北九州総合病院は2024年後半から日本メディカル情報サポート(以下、NMIS)とともに新たなソリューション「MEDITAL」の開発に着手。プロジェクトは北九州総合病院が医療現場の課題を提示して実装を検証し、NMISが課題解決と実装技術の開発を行いました。
「MEDITAL」は「データ入力の負担を減らし、データの質を高めること」を目標に開発され、kintoneをプラットフォームに活用。「入力しやすい」「すぐに活用できる」「データを揃えられる」というkintoneの特性を最大限に活かし、現場の負担を減らしながらデータの価値を高める仕組みを構築しました。
特にデータ入力の負担軽減につながったのは、AI-OCR技術の活用です。従来の作業では、電子カルテの各所に散在する情報を手作業で転記する必要がありました。そこで、AI-OCR技術を使うことで、電子カルテの画像から必要なデータを自動で読み取り、kintoneに入力できるようになりました。 その結果、北九州総合病院では1症例あたり30分かかっていた入力作業が、5〜6分で完了。作業時間が6分の1になったことで、年間250症例の処理に要する時間は大幅に削減されました。
また、AI-OCR技術の導入は、単なる時間短縮にとどまらず、作業者の心理的な負担の軽減にもつながりました。医師クラークとして実務を担当する川井美咲氏は「AI-OCRで画像を読み込んでその場で比較できるため、ミスへの不安という心理的負担も軽減されました。CSVから直接アップデートできたり、データとして院内に残せたりする点が特に効果的。また、グラフ化機能もあるので、全国のデータを見て当院のデータと比較して状況を把握できるのも役立っています」と評価しています。
DXによる業務効率化で、質の高い医療を守り抜く (北九州総合病院 副院長 福田 文雄氏コメント)
福田氏は「がん登録も含めて、さまざまな診療科に広がれば、全国の施設で質の高いデータと人的負担の軽減、そして医療の質向上が実現できるはず」とコメントしています。
「医療は科学であり、データの解析や分析などデータが重要。働き方改革の観点からも、医師以外でもできることは他の専門家に任せて、医師は医療の質を高めることに注力すべき」と見解を述べます。 さらに福田氏は、「業務効率化なしでは、質の高い医療を提供し続けることはもはや困難」と指摘。「治療に専念するのが医療従事者の仕事であり、データ入力は別の専門職が担うべきですが、一般的にはそうした人材が存在しない病院が多いのが現実です。そうした中、『MEDITAL』は医療DXとして多くの病院を支える、意義ある取り組みです」と強調しました。
今回の北九州総合病院での成果を踏まえ、今後は全国の医療機関への「MEDITAL」の展開を目指します。まずは、FFN-Jレジストリ登録施設に導入を推進するとともに、整形外科の全国2,000施設が登録する「日本整形外科学会症例レジストリ」にも「MEDITAL」を展開する予定です。
北九州総合病院の「kintone」活用事例詳細
活用事例の詳細については、kintone製品サイトの導入事例ページにてご紹介しています。 https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/kitakyu-hp.html
kintoneとは
製品サイト:https://kintone.cybozu.co.jp
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