島根県益田市、クラウドサービスを活用し
地域住民が主役となる「人口減少に負けない自治組織づくり」の実験開始
~地域づくりシステムの基盤としてサイボウズ「kintone」を採用~

2016.09.01
島根県益田市
一般社団法人 小さな拠点ネットワーク研究所
サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社(東京オフィス:東京都中央区、代表取締役社長:青野 慶久、以下 サイボウズ)と島根県益田市(市長:山本浩章)そして一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所(島根県邑智郡邑南町、代表理事:白石絢也)は協定を結び、クラウドを活用した自治組織づくりの実証実験を7月1日より開始したことを発表します。
この実験では、益田市と地域住民がサイボウズの「kintone」を使い、空き家の活用や自治組織運営の負担軽減といった地域課題の解決に挑みます。実験は、6ヶ月間の実施を予定しており、2017年2月に成果報告を行います。

実証実験を行う背景:人口減少による自治運営の担い手不足が課題に

島根県益田市は「日本創成会議」から発表された「消滅可能性都市」の1つです。1985年から人口減少が進み、農業の担い手不足による不耕作地の増加、管理しきれていない山林や里山の荒廃がもたらす鳥獣被害増加、空き家の増加などの課題が、近年散見されていました。
そこで2013年より、地域が一体となり課題解決に向けて取り組める自治組織づくりを進めてきました。この取り組みが順調に進んだ地域では、活動が拡大した結果、自治組織の事務局スタッフや、行政が配置したサポートスタッフへの負荷が大きくなっていました。
益田市は、人口拡大に向けて定住施策に力を入れておりますが、自治運営の担い手不足は、今後も恒常的な課題になると考えています。抜本的な解決に向け、ICTを活用した運営効率化の検討を始めました。

kintone採用の背景:職種や世代の壁を超えたチームワークの醸成が可能なツールと評価

効率的な自治運営を実現するシステムの検討を進めていたところ、当時益田市ふるさと教育の情報共有ツールとして採用されていた、サイボウズのクラウドサービス「kintone」に目が止まりました。
益田市では、保育園、小学校、中学校の先生と教育委員会の職員が、ふるさと教育で実施した内容をkintoneで共有しています。過去の実施内容をもとに、教育機関が連携した「ふるさと教育プラン」を作成でき、体系だった学習活動を実現できています。

※ふるさと教育:地域の自然、歴史、文化、伝統行事といった資源を活用した教育活動のこと。2004年より、すべての公立小中学校・全学年・全学級で実施されています。

こちらの取り組みでは、保育士や教員、地域コーディネーターなど、様々な職種、世代のメンバーが、kintone上で密にコミュニケーションを重ねて教育活動を磨き上げておりました。
この姿を見た益田市は、同サービスを地域づくりにも活用できるのではと考えました。さらにサイボウズも、以前より地域のチームワークづくりに向けフィールドワーク活動を進めていたため、益田市の取り組みに賛同。サイボウズ、益田市、そして住民代表として一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所が連携し、実証実験を行う運びとなりました。

実証実験の概要:自治運営効率化、住民主体の地域づくり。2つの目標に向けクラウドを活用

今回の実験では、益田市人口拡大課ほか関係部署、一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所、そして益田市の中山間地域の自治組織が、官民一体となりkintoneを利用します。
同サービス上では、事業の進捗管理や予算利用状況の管理をするだけでなく、野生動物の出現情報といった、地域住民が日々の生活で必要になる情報も共有していく予定です。

さらに、住民が主体となり、地域課題を解決する実験も行います。直近では「空き家マッチング」 という課題に向けて、住民がkintoneを活用します。
益田市では、UIターン者の移住ニーズに応えるため、空き家バンク制度を運用していますが、行政の取り組みだけでは物件の掘り起こしには限界があり、希望者に最適な空き家を提案するには十分ではありませんでした。そこでkintoneを活用し、益田市が持つUIターン者の情報と、自治組織が持つ空き家情報を連携させ、移住希望者の住まい探しの効率化ができないかと考えています。
益田市は今回の取り組みを通じ、地域住民が主体となり地域課題を解決できるチームづくりを目指してまいります。サイボウズはこの取り組みの支援を通じ、地域のチームワーク作りに求められる製品要件やライセンス体系を模索してまいります。

今後の予定について

現在、順次市民向けにアカウントの配布を開始していますが、9月24日(土)に、益田市民を対象とした本実証実験の全体説明会を行います。

▼地域をチームにしていこう。市民参加型ワークショップ
日時
2016年9月24日 13:00
場所
益田市立保健センター 大ホール
島根県益田市駅前町17-1 益田駅前ビルEAGA3階
内容
チームワークを「学ぶ」講座、kintoneの活用事例ご紹介
主催
益田市、サイボウズ株式会社、一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所
お申し込み
益田市役所人口拡大課(地域づくり支援室)
〒698-8650 島根県益田市常盤町1-1
TEL.0856-31-0600  FAX.0856-23-7708

益田市概要

http://www.city.masuda.lg.jp/
益田市は、平成26年2月に「人口拡大計画」を策定し、「①子育て世代に手厚く!②UIターン大歓迎!③中山間地域を元気に!」を切り口に、人口拡大へ果敢に挑戦しています。
平成27年10月には「人口拡大計画」を基礎に置き、これをさらに発展させ、「①定住の基盤となるしごとをつくる②結婚・出産・子育ての希望をかなえる③益田に回帰・流入・定着するひとのながれをつくる④地域にあるものを活かし、安心して暮らせるまちをつくる」の4つの基本目標と、「ひとが育つまち益田」の実現を目指し、人材育成のための協働体制の構築を組み込んだ益田市総合戦略を策定しています。
この度の取組みは、地域に住み続けるための定住条件を整備するため、地域住民と市が協働しながら地域をつくり上げていく取組みです。地域住民が主体となり地域課題を解決できるチームづくりは、日本の中山間地域の協働自立モデルの必須条件と考えています。

一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所 概要

人口減少がすすむ日本において、コミュニティや地域社会の新たな運営方法を実証研究すべく2016年に設立しました。島根県、広島県や岡山県など、中国地方を活動拠点にし、地域づくり案件や、大学との共同調査案件を行っています。提案だけに終わらず、地域住民と共に試行を繰り返すことで、現場の手ごたえを大切にした事業を展開しています。

サイボウズ株式会社 会社概要

http://cybozu.co.jp/
「チームワークあふれる社会をつくる」を企業理念におき、1997年の創業以来一貫して組織のチームワーク向上を支援するツールを開発・販売を手がけて います。企業内の情報共有を実現する「サイボウズ Office」「ガルーン」、プログラミング知識がなくても業務に必要なアプリを開発できる「kintone」、メール共有サービス「メールワイズ」、無料グループウェア「サイボウズLive」の5製品を主力に展開し、現在国内680万人のお客様にご利用いただいています。

報道関係者様からのお問い合わせ先

サイボウズ株式会社 マーケティングコミュニケーション部:大滝 空
〒103-6028 東京都中央区日本橋 2-7-1 東京日本橋タワー 27階
TEL: 03-4306-0803 / FAX: 03-5204-1040 / MAIL: pr@cybozu.co.jp

益田市 政策企画局人口拡大課 地域づくり支援室 地域づくり支援係長 岡﨑健次
〒698-8650 島根県益田市常盤町1−1
TEL:0856-31-0600/ FAX: 0856-23-7708 / MAIL: jinkokakudai@city.masuda.lg.jp

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